山田師長 |
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「来月から院内の清掃をする担当者の人数が半分の3名になります。予想されることは、清掃に時間が掛かること、そのために今までより定期清掃時間の間隔が長くなる為に、その間に、ゴミが落ちていたり、トイレが汚れたりする可能性があります。清掃が行き届かない可能性がありますが、看護部としてどのように対応したらよいと思いますか?」 |
島田看護師 |
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「どうして、清掃の人数を半分に減らすのですか?」 |
山田師長 |
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「診療報酬の改定を含めて、どこの病院も経営努力をしています。医療や看護の質を落とすことなく、病院を経営する為には、経費の見直しを図らなければなりません。今回の措置もその一環と考えています」 |
藤田看護師 |
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「今までも忙しいのに、私たちに清掃しろって言ってもできません。それこそ看護の質がおちるのでは?」 |
島田看護師 |
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「確かに、藤田さんの言うことにも一理あります。ただ誤解しないで欲しいのは、私達がモップを持って清掃するわけではないのです。たとえばゴミが落ちていれば、率先して拾う、とか、トイレがひどく汚れていたら、すぐに清掃の担当の人に連絡をするといったことで、看護の質がおちるのかしら?」 |
藤田看護師 |
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「いや・・・・」 |
島田看護師 |
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「それでは、今までと変わらないじゃないですか?そしたらわざわざ師長が指示することはないと思いますが?」 |
山田師長 |
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「確かに今までとそんなに変らないと思います。だけど、皆さんに検討していただきたいのは、清掃の担当者が3人になるということです。その結果どのようなことが予想されるでしょうか?」 |
島田看護師 |
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「清掃担当者が6人から3人になるのだから、物理的に今までのように頻繁に清掃ができなくなるということです」 |
福田看護師 |
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「その結果、今までのように頻繁に清掃ができなくなるので、ゴミが落ちたままになったり、トイレが汚れてそのままの状態になる可能性もあります」 |
山田師長 |
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「そうですね。そのときに私たちは何をすればよいか具体的に検討しましょう」 |
池田師長 |
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「あなた方、いま少し時間いいですか?」 |
全員 |
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「はい、なんですか?」 |
池田師長 |
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「先日、患者さんから『ナースステーションの私語が多いのではないか』という投書がありました。この事について少し話し合いたいのです」 |
山田看護師 |
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「確かに、業務の手が空いたときに、少し私語をしているかもしれません。ただ、私たちはそんな投書をされるほど話しているとは思いません」 |
池田師長 |
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「少しはしていると思うけど、投書をされるほどではないと思っているのですね」 |
山田看護師 |
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「少しはしていると思うけど、投書をされるほどではないと思っているのですね」 |
池田師長 |
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「では、山田さん、どうして投書が入ってきたのと思いますか?」 |
山田看護師 |
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「さぁ・・・・・?」 |
池田師長 |
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「患者さんが嘘をついているとは思えないですし、どうして投書したのでしょうか?」 |
高橋看護師 |
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「やはり、私たちの私語がうるさく感じられたと思います」 |
池田師長 |
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「そうでしょうね。あなた方が短い時間と感じても患者さんは長く感じている場合があります。同じように静かに話しているつもりでも、患者さんにとっては、耳障りかもしれません。皆さんもそんな事って経験ありませんか?」 |
全員 |
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「あります・・・」 |
池田師長 |
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「そうですね。立場が違うと感じ方が変ってきます。わざわざ投書をされた患者さんはかなりの時間をかけて書かれたと思います。相当うるさく感じたのかもしれません。特に楽しそうな話は、患者さんにとっては辛いものです。そこのところを理解して、ナースステーションの私語は慎むようにしてください」 |